こんにちは

培養室の山本です

 

今日は胚盤胞についてお話ししようと思います

胚盤胞とは通常5日目(もしくは6日目)で見られる

大きく膨らんだ胚の状態の事です

胚盤胞写真

胚の右下に見える塊の部分は内部細胞塊といい

赤ちゃんになるところです

 

胚の周りのツブツブの細胞は栄養外胚葉といい

胎盤になるところです

 (栄養外胚葉はいくつか別の呼び方もあります)

 

胚盤胞の周りにある膜は透明帯といい

卵の殻に相当する部分です

将来的に胚はこの殻を破って外へ出て

細胞の部分だけが着床します

 

3日目の初期胚の状態よりも成長が進んでいる状態なので

妊娠率は初期胚より高いですが

体外培養での胚盤胞到達率は

当院の場合受精卵のおおよそ40%~45%です

(到達率については改めて詳しく書こうと思います)

 

胚盤胞にはこちらでグレードをつけているのですが

グレードについては「わかりにくい」という意見が多いです

当院オリジナルの方法というわけでなく業界で一般的に使われているグレードのつけ方で

変えるというのもなかなか難しいものでして…

ご了承いただければと思います

(オリジナルにしてしまうと移送するとき他院に伝わりにくくなってしまいます)

 

要はAが一番細胞が多くてCが一番少ないと考えていただけるとわかりやすいです

「4BC」のように数字が頭につきますがこれは進行具合です

3か4で凍結するのが一般的です

アルファベットが2つつくのは上記のように細胞が2種類に分けられるからです

最初に来るアルファベットが内部細胞塊のグレードです

 

わかりやすく書いたつもりですが

それでも長くなってしまいましたね

胚盤胞についてはご質問も多いので定期的に書いていこうと思います