うめだファティリティークリニック

培養士の山本です

 

今日は患者さんから

よくいただくご質問についてお答えいたします

 

Q,初期胚凍結と胚盤胞凍結どちらがいいですか?

どちらがいいか一概に言い切れないものではありますが

当院では発育良好な胚が3個以上であれば1個初期胚で凍結して

残りは胚盤胞まで培養する場合が多いです

2個以下であれば初期胚凍結で培養終了する場合が多いです

胚盤胞への到達率は45%ほどなので

数が少ない場合は早めに凍結して

早くおなかの中に戻してあげた方が良いのではないかとの考えに基づいています

ご希望であれば初期胚で複数個凍結することも可能ですし

得られた受精卵が1個でそれを胚盤胞へ挑戦することも可能ですが

上記の注意点はご説明しております

 

Q,今回移植する胚の妊娠率は何パーセントですか?

申し訳ありません

年齢やグレードなどにより変わってくるので

正確な数値をお答えすることはできません

移植全体の妊娠率は平均約30%となっています

 

Q,前院で精子の奇形率が高いと言われたのですが

高倍率で精子を観察したり精子カウント用の機械で測定した場合

かなり多くの割合で奇形精子です

しかし

奇形精子=必ず遺伝的に問題がある とも言えませんし

正常な形態の精子=必ず遺伝的に正常 とも言えません

精子所見の奇形率は目安程度に考えた方がいいのではないでしょうか

上記を踏まえ当院では精液所見に奇形率は掲載しておりません

他院にてあまりにも多く気になる場合は泌尿器科の受診をお勧めいたします

顕微授精の場合はその奇形が多い中でも

より正常なものを選んで使用しています

 

Q,受精率が悪いのですが精子のせいですか卵子のせいですか?

わからないことがほとんどです

精子が少ないにもかかわらず

無理に一般体外受精など試みると精子側に原因がある可能性が高いと言えますが

通常そのようなことは行いませんし

精子が原因であるとまで断定はできません

 

受精とは双方の染色体が合わさり発現するものです

どちらかが一方的に悪いということは

あまりないのではないでしょうか

 

今回は以上です

他にもご質問があれば随時紹介いたします