うめだファティリティークリニック
培養士の山本です
先日の台風21号の影響で一部の地域が停電し
「停電による胚への影響はないか」と当院にも患者さんよりご連絡がありました
当院は今回の台風では停電しなかったので影響はなかったのですが
では実際に停電した場合はどのような影響が考えられるか
書いておこうと思います
まず皆様が真っ先に気になられるのは胚培養についてだと思います
胚培養は「インキュベーター」と言う培養器で行われていますが
この培養器は電気で動いています
停電した場合は通常のコンセントにつないでいると
電気が供給されず一般的な電化製品同様止まってしまいますが
培養器は非常用電源に接続されているので半日は問題ありません
(何時間維持できるかは停電時の消費電力によります)
先日書いたように先日動作確認も行っております
では今回の一部地域のように数時間で電気が復旧されず
数日にわたって停電する場合や復旧のめどが立っていない場合はどうでしょうか?
そのような場合は
培養環境が維持できている間に胚を凍結保存を行うことになります
多くの方にとって不本意なタイミングでの凍結となりますが
災害時は胚の生存を優先とさせていただき
ご了承いただければと思います
また、凍結タンクは液体窒素で温度が保たれているので
停電になったとしても問題はありません
停電の際も培養中・凍結保存中の皆様にはご安心いただければと思います