うめだファティリティークリニック

培養士の山本です

 

今日はIMSI(イムジー)

Intracytoplasmic morphologically selected sperm injection 

についてお話ししようと思います

(当院にはない装置です)

 

ざっくり言うと

IMSIとはICSIよりも超高倍率で精子の観察ができる装置です

通常のICSIはせいぜい400倍程度ですが

IMSIは6000倍ほどの高倍率で見ることが出来るそうです、すごい倍率ですね

 

ではその装置で何が出来るのか?

精子を超高倍率で観察することで精子に液胞がないか

頸部が正常かどうか確かめてから顕微授精に使用することが出来ます

 

しかしここで気になる点が出てきます

液胞があれば受精率やその後の発育に影響がるのでしょうか?

時間をかけて選別することにそこまでのメリットがあるのでしょうか?

(時間がかかるとそれだけ卵は年を取っていきます)

 

4年前のエンブリオロジスト学会ワークショップにて

IMSIブースにいらっしゃったベテラン培養士さんに上記の内容を聞いてみたところ

「卵子数が多い患者さんには使用できない

精子が少なすぎる人は選別なんてしていられない

結局、実際導入している現場での適応は軽度の乏精子症くらい」

と、やや後ろ向きなご意見

 

ほどなくして学会でIMSIの演題が聞かれることは少なくなっていきました

導入されたクリニックさんの中には今でも使用している所もありますが

導入していない施設からすると

ここから新たにIMSIを…

とはなかなか踏み出せないというのが本音でしょうか…