うめだファティリティークリニック
培養士の山本です
多忙によりなかなかブログをアップできず
少し前のニュースとなってしまいましたが
精子の動きについてイギリスの研究チームが発表したようです
「精子は回転しながら前進」 300年以上の定説を覆す イギリスなど研究
https://news.yahoo.co.jp/articles/61f7352caf8e183019c2642c4449cbf0731c2072
(リンクは時間の経過とともに切れます)
我々も顕微授精の際に高倍率で精子を観察します
全ての精子とまでは言えませんが
精子の頭部が膨らんだり細くなったりを繰り返しながら進む様子をみていると
「頭部はまん丸ではなく、それが回っているからこう見えるのだろう」くらいに思っていたので
個人的にこの発表には頷ける部分があると思います
しかし、尾部の動きはどうなのでしょうか
CGのモデルでは尾部は回転運動以外ほぼ動いていないように見えます
もし尾部自身が動き推進力を生みだす役割をしていないのであれば
尾部の役割はいったい何なのか
精子は卵管狭窄部や卵丘細胞など狭いところや粘性の高いところを突破しなければなりませんので
さらさらの水の中を進むと言うイメージよりも、もっと抵抗のあるところをかき分けて進むような感じでしょうか
だとすれば、確かに尾部で泳いで進むよりも回転して突破して進む方が効率的かもしれません
そして頭部(と頸部)のみで弾丸のように進むよりも、尾部があった方がドリルが進むように安定する…?と言う事でしょうか
(個人の意見です)
このような発表は不妊治療業界をはじめ多くの人が興味を持つきっかけになると思います
ブリストル大学のプレスリリースにも同様の記事が掲載されています
ご興味のある方はぜひ検索してみてください