うめだファティリティークリニック

培養士の山本です

 

 

保険診療となって4か月以上が経ちました

世間的にも不妊治療は保険診療であると徐々に浸透してきているのではないでしょうか

(ご注意:全ての方、全ての治療が保険の対象となるわけではありません)

 

保険診療になることで今後どう変わるのかについて

私からも簡単に触れてみたいと思います

 

最初にお断りしておきますが

私は業界の専門家であったりクリニックの経営者ではないので

あくまで業界に身を置く一人の培養士としての意見・見解です

 

 

 

保険診療になったことで何が変わったか

まずは大きな前提として

治療にかかる金額が保健診療であればどこのクリニックでも同じ治療費になります

クリニックAに行ってもクリニックBに行っても

全く同じ治療で保険診療であれば

治療費は同じ金額ということになります

 また、多くの方が従来の治療費に比べ下がる場合が多いです

これは大きなメリットです

 

しかしこれはクリニック側からすると

値段の高い培養器を使用していても安い培養器を使用していても

クリニックの収入額は同じ、ということになります

安い培養器が必ずしも悪いわけではありませんが

現実として経費がいくらかかっていても

保険診療であれば同じ額、ということになります

 

 

今のはわかりやすく培養器で例えましたが

他にも

テナントの賃料、医師・看護師・培養士・受付をはじめとした人件費、クリニックの内装費用

内診台・超音波エコー・電子カルテ・自動精算機などの設備投資、光熱費…などなど

クリニックによってかかっている費用は様々です

 

今までは自費診療でしたので

例えばクリニックの判断で

「ウチは全てにおいて最先端の機械を使用しているので治療費は高めです」ということもできましたが

保険診療にした場合は金額が決まっているのでそれはできません

 

なので

クリニックによっては保険診療にはせず

自費診療でされているクリニックさんもあります

 

 

ではこれを踏まえて患者さんサイドとしてのデメリットはどうでしょうか

長期的に見てみると安くなることでのメリットだけとも言い切れません

 

まず挙げられるのが

上記のように保険診療になる事により収益が下がった病院が

今すぐではなくても数年以内に閉院になるところが出てくるかもしれません

複数の科を持つ病院が不妊治療をやめる事も考えられます

都市部の場合はクリニックも多くあるので患者さん側としては大きな問題にはならないでしょう

しかし地方ではどうでしょうか

近くのクリニックが閉院する事で遠方に行かなければ治療を受けられない

という事も出てくるかもしれません

 

また

今までは自費診療であることを理由に

技術力の向上に貪欲であったり

各クリニック差別化を狙う動きが高かった背景がありますが

保険診療となる事で逆にコスト削減の動きが活発化する可能性もあります

コスト削減の動きが治療の質の低下となっていないか

患者さん側としても治療を受ける際に注意が必要となります

 

 

 

さて

クリニックのブログでこのような内容を書いていると

私が患者さんであれば「おたくのクリニックの質の低下はないの?」と思ってしまうと思います

私は培養士ですので培養士目線で言わせていただくと

体外受精に関する事で保険診療になった事を機にサービスや成績が低下したと言うことはございません

使用する機材やメンテナンスも今まで通り行っておりますし今後もその予定です

むしろ今まで通り、良いものは導入し続けている状態です

 

もし体外受精の内容についてご不明な点があり確認したいという事がございましたら

培養室宛にご連絡いただきましたらお答え可能です

(ブログに関する内容は山本迄)

 

 

保険診療に関してトップページに動画でのご説明がございますので

保険診療に関して知りたいと言う方はご覧ください