うめだファティリティークリニック
培養士の山本です
体外培養は主に培養器(インキュベーター)と培養液、大きくこの2点で成り立っています
他にもガスの品質や濃度、オイル、清潔度や湿度など
培養環境を構成するものは多岐にわたりますが
大きく上げると上記の2点です
培養器は基本的にメーカーが作ったものを購入することになります
正しい使い方とメンテナンスさえしっかりしていれば
培養環境が極度に悪化して成績に影響が出る可能性は低いと思います
培養液も昔は手作りしているクリニックが多かったように聞いていますが
だいぶ前から培養液は既製品が主流です
こちらも使用方法を守れば一定の成績が出せると思います
上記2点を考慮すれば
培養環境により発育不良を引き起こすことはないようにも見えますが
どれだけ気を付けて管理していても
培養環境が合う・合わない、という不確定要素は存在すると思います
ちなみにですが全く同じ条件の受精卵というものは存在しないので
これを検証し証明することはほぼ不可能です
正確な比較をするには全く同じ受精卵を複製する技術か
もしくはタイムマシンが必要となります
(前者は設備さえあれば技術的には一応可能ですが違法です)
仮に次の周期で培養液を変えて成績が良くなったとしても
それが培養液のおかげなのか元々卵子や精子が良好であったのかは
証明することができません
成績が悪くなっても同じです
転院してうまくいった方も
どこにその要因があるかは
ハッキリとはわからない場合が多いです
結論として
培養環境が発育不良の原因にあげられるかどうかは
正しく管理していれば通常はその原因とはならないと思います
しかし
受精卵に対して合う合わないがある可能性は否定できません
ですが、それも稀な話であると思います