うめだファティリティークリニック
培養士の山本です
当ブログでも何度か触れていますが
今回ご質問をお受けしましたので
移植方法について今一度ご説明したいと思います
採卵にて体外へ取り出した卵子は精子と受精させて
最終的には元気に育った胚を子宮に移植する流れとになります
初期胚凍結と胚盤胞凍結との違いについては
別の話ですのでこちらではあえて触れません
採卵にて卵を取ったその3日後~5日後に
胚を凍結しないまま子宮の中に戻す方法を
「新鮮胚移植」と言います
採卵の周期では胚を戻さず
一度凍結して一か月後以降に融かしてお腹に戻す方法を
「凍結融解胚移植」と言います
新鮮胚移植は凍結しておく時間もお金もかからないですし
メリットがあるように思われがちですが
採卵という手術は
事前にホルモン剤を服用したり局所麻酔を用いて卵巣に針を刺したり
体に負担がかかります
その負担が原因だと思われますが
新鮮胚移植は凍結融解胚移植に比べて妊娠率が低いです
この事実は不妊治療業界では広く知られており
凍結融解胚移植を第一選択とするクリニックが多く
当院でも基本的に全例凍結融解胚移植です
(ご本人希望や医師の判断など一部例外はあります)
不妊治療を受けられている方は「少しでも早く妊娠したい」という方が多いので
その点で言えば新鮮胚移植は一見魅力的ですが
逆に一旦体を休めて時間をかけたほうが
妊娠への近道となります
<ご注意>
移植法や移植個数に関しては
医師の診察の際に決定する事となります