うめだファティリティークリニック

培養士の山本です

 

 

胚の取り違えを防止するためにバーコードシステムをはじめ

デジタルでの管理システムがいくつか販売されています

「体外受精 取違え防止システム」等で検索すると

メーカーやクリニックのHPがヒットすると思います

 

当院でそれらを導入しているかご質問を頂戴することがありますが

結論から申しますと導入しておりません

 

 

学会の企業ブースで実物を見たり

デモ機を培養室内に入れて実際に使ってみたり

導入している施設を見学したこともありましたが

取り違え防止システムを使用するためのバーコードの準備や

チェック作業が業務を多少圧迫することになるので

当院においては導入時のメリットなどを総合的に勘案したうえで

現時点では導入は見送られています

 

 

もちろん施設規模をはじめとした培養室の環境によっては

有用な場合も多くあると思いますので

商品自体は非常に魅力的なものだと思います

あくまで「当院のニーズには合わなかなかった」というだけです

 

 

では当院ではどのように取り違え防止しているかというと

まず患者さんごと周期ごとに色分けして色で判断します

胚を違うシャーレに移し替える際はもちろんダブルチェックです

検証の結果ひらがなカタカナよりも漢字が認識しやすいと考えており

患者さんの表記は漢字表記です

似た名前・同姓同名の方は特に培養室内でも周知・注意喚起を行っています

 

 

デジタルな管理ももちろんいいと思うのですが

システムを運用するのはやはり「人」です

そもそもバーコードを貼り間違えたら取り違えにつながってしまうので

導入=安全性が増す とも必ずしも言い難いようにも思います