うめだファティリティークリニック
培養士兼医療安全対策室の山本です
今回は胚移送容器ドライシッパーとその運搬方法に関しまして
お話ししたいと思います
当院では凍結胚・凍結精子・凍結卵を移送できる容器を保有していますが
移送容器の移動手段は実はクリニックによって貸し出し時のルールが異なります
特に違いが出るのが
宅配便の利用の可否
公共交通機関の利用の可否
この2点です
まずは宅配便について
ドライシッパーの移送の可否は
宅配便業者や配送担当者や発送元の地域によって異なるようです
ドライシッパーと一言に言っても複数の会社から商品が出ているので
商品によっても配送可能かどうかは分かれるかもしれません
他院から当院にドライシッパーが宅配便で届くことも実際あります
しかし当院としましては
①液体窒素が万が一漏れ出て物や人に触れた場合の危険性
②移送時、胚への保証がない事に対する懸念
③容器事態の破損による当院の損害リスク
これらの理由から宅配業者側がもしOKだったとしても
当院としては上記の理由から宅配便の利用はご遠慮いただいております
つぎに公共交通機関に関してです
調べた限りバスや電車などの公共交通機関への高圧ガスの持ち込みは
禁止されているところばかりです
例えばJRの旅客営業規則では
「高圧ガス」の小分類の「液化ガス」に「液体窒素」が含まれています
液体窒素は高圧ガス保安法(概要・pdf)にて
高圧ガスの定義(法第2条)(c)の
「常用の温度でゲージ圧力が、0.2MPa以上の液化ガス。
又 圧力が0.2MPa以上となる場合の温度が35℃以下である液化ガス。 」
に該当しますので
容器に関わらず持ち込み禁止の高圧ガスに該当します
(ガス取扱業者にも確認を取っております)
ドライシッパーを電車やバスなど人が多い乗り物に持ち込んで
トラブルに発展した場合は多くの人の足に影響を与えかねません
当院としましては安全に移送いただくために
公共交通機関の利用は控え
徒歩や自家用車で運んでいただくよう
お願いしております