うめだファティリティークリニック

培養士の山本です

 

 

数日前、地下鉄中津駅から地上に出た時に

セミが鳴いているのに気が付きました

まだ梅雨明けしてはおりませんが

気温的にはもう夏ですね

 

 

さて

今週の15日木曜日・16日金曜日は第39回日本受精着床学会です

当院の院長山下も15日木曜日のシンポジウム2にて発表致します

 

うめだファティリティークリニック 山下能毅

S2-4「子宮内膜症合併不妊におけるARTの有用性の検討」

 

ご参加される方はぜひお聞きいただければと思います

 

 

 

私自身、学会に参加するのは去年の生殖医学会以来となります

去年の生殖医学会も今回の受精着床学会もオンラインでの参加です

 

今日は今回の学会で個人的に注目している内容についてご紹介したいと思います

 

 

 

・PGTーAについての発表

 

PGT-Aとは当院でも実施しております「着床前診断(着床前胚染色体異数性検査)」の事です

今回の学会ではPGT-Aに関する発表や教育講演もあるようなので

ぜひ聞きたいと考えています

今回の学会だけでなくPGTーAの臨床研究が始まってからは

より盛んに発表・ディスカッションが行われている印象です

※PGT-Aご希望の方は医師の診察・説明を受けていただきますようお願いいたします

 

 

 

・AIによる胚評価についての発表

 

胚培養士が形態的に評価する胚のグレードは

簡便である一方で担当者の主観である事

つまり培養士やクリニックによる「クセ」やある種の傾向(甘さや厳しさ)が出てしまう場合があります

このことから

当院が採用しているEevaをはじめ客観的なAIによる胚評価が今注目されています

今回の学会でも胚評価についての発表があるようです

他に聞きたい演題と時間帯が被ってしまっているので

どちらを聞こうか迷っているところですが

こちらも興味深いセッションの一つです

 

 

 

・2.1PN胚についての発表

 

正常な受精反応は2個の核が見えます

3個見えたら異常受精と言い流産の危険性が高いので移植(凍結)対象外になります

では2個ともう1つ小さな核が見えていたらどうするか…

数年前までは多くのクリニックが3PN扱いで移対象外としていたようですが

ここ最近では十分なインフォームドコンセントを得たうえで

移植を行うクリニックも出てきているようなので

その臨床結果を聞きたいと思います

 2.1PN胚はあまり多くみられるものではないですが

当院では基本的には対象外とし

状況に応じて患者様との話し合いのもと凍結を検討しております

 

 

 

・新型コロナが不妊治療施設に与えている影響についての発表

 

これは医療安全対策室としても非常に気になるところです

クリニックでクラスター感染が発生してしまった場合

多くの患者様に多大なご迷惑が掛かってしまいます

全国の施設が真剣に対策に取り組んでいる事と思いますので

独自の工夫などがあれば実践したいです

 

 

 

 

ほかにも

PIEZOーICSIの膜進展性や異常破膜について

BMIによる妊娠率への影響など

今までも発表を拝見してきた分野ですが

今回も発表があるようですのでこちらにも注目したいですね