うめだファティリティークリニック
培養士の山本です
凍結のスケジュールに関して
全て3日目での胚凍結を希望される患者様がいらっしゃいます
今日はその事についてお話ししたいと思います
例えばですが
得られた受精卵数が1個や2個の場合
3日目で凍結保存するご希望に関しては
有用な方法だと思われます
凍結可能な胚盤胞へ到達する可能性は
当院の基準ですと45%ほどです
全ての受精卵が必ずすべて胚盤胞へ到達するわけではありません
当院では基本的には6日目までに胚盤胞へ到達しなければ
胚は廃棄となり移植を行うことができなくなります
(もし胚盤胞に至らなかった胚を移植しても妊娠の可能性はほぼ0%です)
初期胚移植は
早めに子宮内へ戻すことで
体外で培養器で培養するよりもいい発育をすることを期待する方法ですので
体外で胚盤胞になったことを確認してから移植したいというご希望ではない限りは
この選択もいいのではないでしょうか
一方で
多くの受精卵が得られた場合
「多くの」と一言で言いましても何個が多いのかというお話になりますが
今回の内容からして仮に10個得られれば多いといたしましょう
得られた10個の受精卵すべてが順調に3日目まで発育した場合で
全て3日目で凍結した場合
10個の初期胚の凍結胚が得られることとなります
凍結自体は10個でも20個でも可能は可能なのですが
ここで気になるのは移植の時の事です
1個ずつお戻しした場合
10個あれば最速でも10か月
料金も10回分の移植の料金がかかります
妊娠率は胚盤胞移植に比べると初期胚移植のほうが劣るので
胚盤胞10回移植と成績は同じではなりません
時間と料金の事を考えると
培養士としては
多くの初期胚凍結はあまりオススメできる方法ではないように思います
数が多い場合は2段階凍結(初期胚で1個凍結残りを胚盤胞凍結)
もしくはすべて胚盤胞凍結のほうがいいかもしれません
凍結の予定は医師の診察にて決定することとなります
凍結に関してご希望がある場合は診察時にお申し出ください