うめだファティリティークリニック
培養士の山本です
表題のテーマは
精液所見が一度良好であればその後も良好であるか、という話に置き換えることができます
残念ながら答えはノーです
ハッキリと差を数値化することは出来ませんが
精液の所見はその時々によって多少変わります
1度精液検査して2~3日後にも検査した場合は
その間でよほど何か大きな体調の変化がない限り
そんなに結果は変わらないと推測できます
しかし数か月経った場合は
先述の「何か大きな体調の変化」や、蓄積したストレスや疲労や不摂生が
精液所見に影響が出る可能性がほんの数日の時に比べて高くなります
極端な話ですが
時間が経てば加齢をはじめご本人に何も自覚がなくても所見は変わることも考えられます
また
持参される際の環境によっても精液所見は大きく変わる場合があります
あくまで「精液所見」は精液をクリニックへ持参し培養室で検査した時の所見なので
その所見が精液の全てであると言い切る事も出来ませんし
今後もずっとそうであるとも言えません
つまり
精液所見とはある程度流動的なものであると思っていただいた方が
いいのかもしれません
出来るだけ維持するにはどうすればいいか
一般的に体が悪いと言われている
ストレス・喫煙・過度な飲酒・無理な運動・睡眠不足・暴飲暴食・肥満
などはよくありません
他にも長時間のサウナなど睾丸を過度に温めてしまう行為もよくありません
持参される場合は出来るだけ暑すぎず寒すぎず
保冷バッグに入れて持ってくるなどすれば運動率の低下を抑えられます
冬場は特に注意が必要です
夏場も冷たい温度が採精カップに触れる持参方法は推奨できません
例えば採精カップをビニール袋に入れたとして
ビニール袋越しに冷たい飲み物などが当たる環境は良くありません
当日の精液所見によっては一般体外受精の予定でも顕微授精に変更となる場合があります
一般体外受精よりも顕微授精の方が費用は掛かります
たとえ元々顕微授精であっても
何らかの要因で射出精液の中に動いている精子が全くいない場合は
受精率に影響を与える可能性が高いです
男性の日常生活においても
持参する環境においても
精液に影響を与えるという事があるので
所見は変わっている場合がある