うめだファティリティークリニック
培養士の山本です
時折
食品をはじめ店側の衛生基準が守られていないなどの不祥事のニュースを目にします
利用する側としては「裏側の目に見えないところ」までは確認しようがありません
信用する事しかできないと言えると思います
クリニックは飲食業・食品販売店とは違いますが
培養室は目に見えない場所という点や
それに付随した上述のような「信用してもらうしかない」部分は共通していると言えます
そんな中でもクリニックとしては
可能な限り皆さんに安心して胚をお預けいただきたい思いがございます
昨今、信頼・信用について揺らぐ出来事も多い中
これを機に当院培養室の衛生管理について書きたいと思います
まずはタイムラプスインキュベーターの庫内の様子です
これはあえて掃除した後を取ったわけではなく
今朝撮りました
胚を入れておくスペースですのでいつもこの清潔さです
ガスが通るフィルターはメーカー指示通り交換しており
湿度を保つための水も注射用水を使用し
ボトルごと交換しています
こちらはタイムラプス機能がついていない
インキュベーターの庫内の様子です
こちらも今朝撮りました
こちらのインキュベーターは培養液の保管や胚の一時保管用に使用しています
こちらも業務状況によって前後はするものの
定期的に清掃・滅菌しておりますので
きれいな様子がうかがえるかと思います
あえてきれいな機体の内部を写真に撮ったわけではなく
こちらが一番古い機体となります
胚の操作に使用するガラス管は使い捨てですが
使用する前のものは毎日乾熱滅菌器180度1時間で滅菌しています
滅菌機は培養室内にありスイッチ入れるだけで滅菌を開始できます
操作が煩雑ではありません
アルコールは随所(計4か所)に置かれており
クリーンベンチなどは使用ごとに消毒しています
後ろに赤いテープが見えていますが
全ての機材に購入年月日を貼っており
機材の年数に応じてメンテナンス・買い替え・使い分けを行っております
凍結タンクの液体窒素補充に関しては毎日チェックしており
補充した日を管理しています
これは私が行っておりますが10年近くこの作業を続けています
忘れたことは1度もありませんが
万が一忘れた場合、他の職員から水位が下がっている旨を指摘されるか
業者から発注がないが大丈夫かと電話が入る事で気づくと思います
停電対策に関しても力を入れております
無停電装置はバッテリーを変えたばかりです(5年に一度交換)
3月には自家発電機のメンテナンスが入ります
その点またこちらでご紹介したいと思います
当院では衛生面、セキュリティ面、個人情報保護の面から
患者様の培養室の見学などは行っておりませんが
胚の管理環境など知りたい方がいらっしゃいましたら
お電話(平日・土曜日10時から16時)でお答えすることは可能です