うめだファティリティークリニック

培養士の山本です

 

昨日卵子凍結について書きましたが

今日はその卵子凍結について培養士としての個人的見解を書きたいと思います

(オフィシャルブログで個人的見解を書くのもどうかと思いますが

あくまで一意見一般論としてご覧ください)

 

卵子凍結には通常の胚と大きく異なる点があります

それは凍結してから融解するまでに非常に長い年月がかかるケースが多いということです

(クリニックさんによってはバンバン融解しているところがあるのかも?)

融解するケースが少ないということは

それだけデータの蓄積が少ないということです

 

卵子の凍結液は複数の会社から出ており成績を開示していますが

(100%と謳っている業者さんもいらっしゃいますが…100%ねぇ…)

やはりクリニックごとに患者背景も異なるぶん成績にむらも出るでしょうし

凍結液の組成の変化やロット差により成績に差が出るということも考えられます

 

胚融解の生存率は当院は95%としています

(これは謙遜した数字でして、本当はもっと高いです)

 

では卵子凍結はというと…?

隠しているわけでないのですが

当院では実例が少なくクリニックとして信憑性のある数字が出せないのが現実です

前回前々回卵子融解した患者さんは100%生存でしたが、はやり背景の差は否めません 

これで生存率100%と言ってしまうと…数字的に問題ありです

過去の記事 移植胚の妊娠率は何%?

 

卵子凍結に関しての学会発表も技術の特性上ほとんどないので

技術がほぼ確立していても未だにデータが少ないように思います

技術者としては少しもどかしい分野でもありますね