うめだファティリティークリニック

培養士の山本です

 

今日は培養方法についてお話ししたいと思います

胚の培養には

同じ培養液中に胚を入れて培養する「集合培養」と

それぞれの培養液がつながっていない状態で培養する「個別培養」があります

 

「綺麗に育った胚は他の胚の成長を促す因子がでてるから、一緒に入れたほうがいいよ」

というのが集合培養の原理です

 

「いやいや、個別に管理したほうがそれぞれ胚の成長がわかるし、

胚は自分から成長を促す因子をだしていて自身に作用しているから成長に差はないよ」

というのが個別培養の原理です

(個人の印象です)

 

その2大論争(?)のさなか

2013年にWOW(the well of the well)型ディッシュという

胚が1つ1つ入る凹みがありさらに培養液が上部でつながっている

集合培養のメリットも個別培養のメリットも受けられるディッシュ(=胚を培養するプラスチック製容器)が

販売されました

かくして培養方法論争に終止符が打たれた…

 

 

かと思われましたが

間もなくしてタイムラプス専用ディッシュが闊歩する時代となり

シェア率をじわじわと広げていくのでありました

(個人の見解です)

 

タイムラプスの導入が進みだしてからは

もはや個別培養と集合培養の学会発表なんかはあまり見なくなった気がしますね

 

次の段階は培養液を使用した遺伝子解析…?

そしたらWOW型ディッシュでなく完全個別培養ディッシュでなければならない?

 いやいやまだ先の話でしょうかね