うめだファティリティークリニック

培養士の山本です

 

 

先日顕微授精には卵子の個数と同数の精子があれば実施可能であると書きましたが

今日はその補足です

 

精子が非常に少ない場合

例えば当院では観察サンプルの視野内に精子が数個しかいない場合や

遠心分離器にかけてようやく精子が見つかる場合などは

「全視野○個」と書いたり

備考に「遠心後○個精子確認」と表記しています

この二つのうち特に

遠心分離しないと精子が確認できない場合は

採卵当日精子が足りなくなる可能性もあります

 

もし採卵当日に提出された精子がかなり少なかった場合

当院ではまず担当者を中心として

培養士間でその所見で足りそうか足りそうにないか話し合います

その後状況に応じて

再度精液を出していただくお願いをすることになります

 

 

2度目の採精をお願いする場合

男性が院内にいる場合はお声がけしやすいのですが

もしパートナーの女性がご持参されていて

院内に男性側がいらっしゃらない場合は

どうにか当院へ精液を持ってきていただくことになります

 

精液の容器が手元ない場合は当院へ取りに来て(採精しに来て)いただく必要があります

時間についても限られており

できればお昼にはお持ちいただきたいので

精子が足りないと判明してからお昼までの間にご持参いただくという

かなりタイミングがシビアな話になってしまいます

 

2回目の採精をお願いしたケースは

レアケースではありますが実際に複数回あります

当院採精の方でそのままクリニックで2回目を取られた方もいらっしゃれば

仕事中に時間を作っていただきご持参された方もいらっしゃいます

 

外にいる場合2回目の採精は困難な場合も多いです

これを避けるにはどうすればいいか

先日も書きました通り採卵を行う際は

事前に精液検査をしておき自身の精液の状態を把握しておくことをお勧めします

 

精液所見が上記のように良くなかった場合は

できれば採卵当日はクリニックへ同行し

2回目の採精に素早くうつれるようにしておいた方がいいと思います

普段から精子所見が明らかに悪く

さらに採卵当日クリニックでの採精ではない場合は

精子を事前に凍結保存しておく事もできます

 

しかし精子の凍結保存には費用も掛かりますので

凍結をご希望される場合は凍結の必要があるかどうかも含め

事前に当院医師・培養士へご相談ください