うめだファティリティークリニック
培養士の山本です
胚盤胞とは
表現は色々ありますが
細胞内に空洞(胞胚腔)が空いてきた細胞の事をいいます
一般的には5日目ないしは6日目に胚盤胞になったら凍結する事になりますが
その中でも「凍結出来ない胚盤胞」がいくつかありますので
今日はその紹介をしたと思います
1、異常受精卵の胚盤胞
異常受精した胚は流産の危険性がありますので凍結しておりません
当院だけでなく多くの施設がそうだと思います
タイムラプスには動画が残りますので
診察の際に一見綺麗な胚盤胞が凍結されずに映っているように見える時があるかもしれません
しかし異常受精由来の胚盤胞はいくら綺麗なものであっても
凍結は致しません
2、空洞が小さく空いてそのまま膨らまなかった胚盤胞
胚盤胞は進行具合を数字で表すことが出来ます
上の図にもありますように進み具合によって1から6まであります
一般的にはグレードと合わせて「3BC」や「4BB」のように表記します
当院では3以降の胚盤胞は凍結していますが
1や2に関しては3まで進むのを待ちます
進まずそのまま空洞が縮んでしまった場合は
当院では凍結の対象外となります
3、細胞がほとんど形成されていない胚盤胞
上の写真のように胚盤胞は内側に細胞が形成されます
中に丸く見えている将来胎児になる内部細胞塊と
粒上に見えている将来胎盤になる栄養芽細胞です
この2つの細胞がほとんど形成されていない場合は
妊娠の可能性が非常に低いと考えられるので
当院では凍結の対象外としております
凍結するかどうか判断が難しいものもあるので
判断が難しい場合は培養部内で話し合い決定されます
つまり凍結しているCCグレードのものは
当院としましては一定の基準をクリアしている胚を指します