うめだファティリティークリニック
培養士の山本です
今回参加した受精着床学会について
その感想を何回かに分けて述べたいと思います
まず今回の学会で一番に感じたのは
PGTーA(着床前胚異数性検査)についての演題が多くみられたことでしょうか
PGT-Aとは日本産科婦人科学会が中心となって行われている臨床研究であり
染色体異常、つまり染色体全体の数的異常や大きな部分的過不足がないかどうかを解析することです
胚盤胞から一定数の細胞をサンプルとして取り出す必要があります
(本掲載内容は2021年7月17日現在のものです)
PGT-Aについて詳しく書きだすと非常に長くなってしまいますので
この場でその説明は割愛させていただこうかと思いますが
PGT-Aが日本で臨床現場で現在行える技術の中でも先端技術といえるものなので
今回の発表内容も多岐にわたり
その切り口も興味深いものが多かったです
この技術は胚盤胞を得られて初めてできるものですので
まず胚盤胞へ到達する必要があります
そして移植に至るには検査に出した胚が
移植可能と判定される必要があります
様々なデータの発表がありましたが
共通して言えることは
年齢が上がると移植可能と判定される胚は減る傾向にあり
移植可能と判定された胚であれば年齢の影響は受けにくいといったものでしょうか
現在のPGT-Aは
胚盤胞の一部細胞を採取し検査に出すこととなるのですが
胚の細胞を物理的に採取して検査するだけに
その侵襲性が指摘されることもしばしばあります
胚盤胞の中(胞胚腔)の液体や
胚盤胞を培養した培養液から染色体を検査する低侵襲性(非侵襲性)な方法が
海外で少ないながら報告されているようですが
その可否については現在の段階ではまだまだ2分されているようです
当院はPGT-Aの臨床研究施設として認可を受けております
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