うめだファティリティークリニック

培養士の山本です

 

 

最近頂いたご質問の中に

「胚盤胞は培養を続けたら細胞が増えますか?」といった旨のご質問を

何度かいただいたのでお答えいたします

 

 

 

お答えとしまして

細胞が増えることはなくはないですが

胚盤胞になった時点で形成されている細胞数から大きく変わるということは

ケースとしては少ないと思います

 

例えば

朝観察して昼に凍結する際に

グレードが変わるほど細胞が増えるという事は少ないように思います

 

胚盤胞は時間とともに膨らみますが

膨らんだ時もグレードはあまり変わらないと言えると思います

 必ずしも「膨らむ」=「細胞が増える」ではないという事です

 

 

細胞が少なくて凍結が出来ない胚盤胞もを6日目まで観察を続けることもありますが

5日目に凍結できなかったものが6日目に凍結できるようなるという事

(1日かけて凍結可能なほど細胞が増えた例)は

統計は出したことはありませんが

1割にも満たないと思います

 

 

このことからも「培養を続ければ細胞が増える」という事は

「なくはないけれど少ない」と言えるのではないでしょうか 

 

 

 

6日目で凍結できなかったものをさらに培養を続けていくと

胚盤胞になるのでしょうか、とも聞かれますが

 

6日目で胚盤胞になれなかった胚は

縮んで結果的には細胞が死んでしまうケースが多いです

 

経験上は7日目には培養個数の半分近くは細胞が死んでしまうことが多く

7日目で胚盤胞になるケースは

当院では1年に1個あるかないかくらい少ないです

(当院の胚培養は基本的に6日目で終了しますが

6日目の胚の状況によってはまれに7日目まで培養することがあります)