うめだファティリティークリニック
培養士の山本です
凍結精子を融かして顕微授精に使用した後で
再凍結することが可能な場合もあります
再凍結は融かした精液をすべて使いきっていない場合に限ります
凍結した精子を融かして使用する場合
融かした精液の中から精子を必要数だけ取り出すわけではなく
凝縮した精液を一定量の液を取って
その中から動いていて正常な形の精子を探すイメージです
つまり顕微授精に使用する際に
必要量取ってもまだ液が余っている場合は再凍結が可能ですが
使い切ってしまった場合はそもそも再凍結できる液が残っていないということになり
再凍結はできません
液量が多いから何回か使えるはずだと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが
凍結する際に精液は遠心分離機で濃縮されますので
液量ではなく精子の総数がどれだけいるかが大切になってきます
また、本数も重要です
良好な所見の精液を1本の容器に凍結した場合は再凍結も可能と思われますが
所見のあまり良くない精液を10本に分けて凍結した場合は
それだけ1本あたりの精子は少なくなるので
再凍結は困難になります
（凍結本数は診察で決定いたします）
時々
再凍結をさらに再凍結を行う「再々凍結」をご希望される場合があります
上記のように良好なものを1本での凍結でしたら再々凍結しても使用できる可能性がありますが
所見のあまり良くないものでしたら
そもそも液が残らない可能性が高く再凍結・再々凍結ともに困難であると思います
精子再凍結の最大の注意点としては
再凍結したものが使えるかどうかは融かしてみないとわからない、ということです
凍結すること自体精子にとってストレスなので
融かしてみたものの、動いている精子が全然いないので使用することができませんした
ということもあり得ます
