うめだファティリティークリニック

培養士の山本です

 

 

一般体外受精法で異常受精となるのは

卵子精子どちらが原因かというご質問を頂戴しましたので

この場でもお答えします

 

一般体外受精で異常受精となる原因は

1,多精子受精

2,第二極体の放出不全

この2点が考えられます

 

通常、卵子は精子が1匹入ると「透明帯」と言う卵の殻に相当する部分を硬くして

2匹目が入らないような仕組みになっています(透明帯反応と言います)

しかしこの仕組みが何らかの原因で作用せず

2匹の精子が入ってしまった場合は

染色体(簡単に言えば遺伝子の束)の数が多くなってしまい

異常受精となってしまいます

 

これの原因は私としては「詳しくわかっていない」という認識です

生活面での改善や検査や治療で透明帯と言うピンポイントな原因に対して改善を期待するというのは

ちょっと難しいかもしれません

加齢によって増えるとのご意見も時折拝見します

 

この多精子受精が異常受精の原因だった場合は

次回から顕微授精にすることで改善できます

 

 

 

2点目の第二極体の放出不全について

受精卵は精子と卵子の染色体両方を持つことになりますが

2人分そのまま維持すると染色体が多いので

これは減数分裂(極体の放出)で減らさなくてはなりません

これがうまくいかなければ

やはり染色体の数がおかしくなり異常受精と言う形で受精結果が現れます

これに関しては顕微授精でも起こる時はあるので決定的な改善は難しく

やはり加齢によって増えると聞きます

 

これらの事から異常受精の原因は女性側である場合多いと考えられます

しかし後者に関しては男性側に原因がある事も100%否定はできないので

個別の症例に関してどちらが原因であると断定することは出来ません