うめだファティリティークリニック
培養士の山本です
胚に紫外線が当たると発育が阻害されてしまうので
太陽光や紫外線ライトの光は胚に当ててはいけません
蛍光灯の光にも微量の紫外線が含まれているので
当院では蛍光灯よりも紫外線量が少ないLEDライトを使用しています
LEDの紫外線量は一般的な蛍光灯の約200分の1だそうです
LEDライトに変わったのは最近の事ではなく
約10年前に全てLED代わっています
<当院培養室の照明>
そもそも紫外線に限らず
胚にとってインキュベーターの外の空気はよくないので
外気にさらすこと自体よくないです
しかし技術の進歩もあり
胚を外に出す時間は昔に比べかなり減ったと思います
10年前は胚の観察は毎回インキュベーターから出して顕微鏡で見ていましたが
今はタイムラプスのおかげで胚を外に出さなくてもモニター上で観察ができるようになりました
また
培養液も昔は前半用・後半用で2種類に分かれているのが主流で
3日目で胚の培養液を交換する作業がありましたが
今は1種類を続けて使える商品がたくさん販売されているので
培養液の交換のために胚を外へ出すこともなくなりました
それでも胚を外に出すことが全くないかと言われますと
凍結の際には出す必要があります
また
まだ受精させていない段階では顕微授精を実施する際に外に出すことになります
少なくなったとはいえ外の時間が全くゼロになるわけではない事を考えると
培養室の照明はやはりLED照明の方がいいと言えると思います