うめだファティリティークリニック

培養士の山本です

 

 

凍結精子を保管されている方で

「採卵当日も来院できるので新鮮精液と凍結精子、いい方を使ってほしい」

と言われることがあります

今日はその場合どちらがいいかについてご説明いたします

 

 

結論から申しますと

精液所見が大きく変わらないのであれば

当院の場合は射出精液を使用します

注意:当院では凍結精子を使用した一般体外受精は実施しておりませんので

顕微授精の前提です

 

理由としましては

凍結精子は融解後、運動精子のおおよそ半数は動かなくなるので

射出精液を使用したほうがより多くの運動精子から形状の良い精子を選びやすいからです

「おおよそ半分」といいましても

患者様によっては運動精子の半分以上が動かなくなる場合もありますので

そのリスクも考慮すれば

わざわざ凍結精子を使用する理由が乏しいとも言えます

 

 

例外としまして

ガン治療前に凍結した精子と

ガン治療直後の射出精液を比べると

前者の方が所見が良い場合がほとんどです

その場合は凍結精子を使用する可能性は高いです

 

そもそもがん治療直後の射出精子はダメージを受けているので

使用しない方がいいという説が有力です

治療後最低でも3年は空けた方がいいとおっしゃる先生もいらっしゃいます