うめだファティリティークリニック
培養士の山本です
ここ数日精子の事を書いていて
2020年に東北大学から発表された
精子は助け合って卵子を目指しているという内容の論文を思い出しました
精子は今まで一般的には
孤独な競争の末、1匹の精子が卵子にたどり着き受精に至る
というイメージだったように思いますが
実際の所は複数の精子がまとまって泳ぐことで流れが作られ
その相互作用によりより長く効率的に泳げるようになっているそうです
精子自体に知能があるわけではないので
考えて協力しているというわけでは無く
進化の過程で自然にそのようになったのだと思いますが
この内容を考慮すると
精子たちはまとまって泳いでいる可能性が高く
まとまって泳いでいた精子のうちの1匹が受精に至ると考える方が自然なのかもしれません
今までのイメージでは精子が受精するまでは「競争」と言うイメージでしたが
そもそも精子からすれば競争意識などなく
子孫繁栄の観点から見れば自身の精子が受精すれば生物学的には問題がないので
「競争の末1匹の精子が」と言うイメージは今となっては古いもので
これからの時代は「協力し合って卵子を目指している」と言う方が正解なのかもしれません