うめだファティリティークリニック

医療安全対策室の山本です

 

 

先日同意書に関して正しいご提出をお願いいたしましたが

今日は他院で過去に「正しく提出されずトラブルになった例」

についての事例を挙げてご説明しようと思います

 

同意書は様々なものがありますが個人的な印象としては

採卵・凍結・凍結保存延長などの同意書に関しては

トラブルはほぼ聞きません

 

やはり移植同意書に関しての偽造やトラブル、裁判例を主に耳にします

採卵や凍結だけではもちろん妊娠にまでは至りませんが

移植は妊娠・出産に至るのでそれだけ重要な同意書であると言えます

 

 

過去に他の不妊治療クリニックで

同意書が正しく記入・提出されていなかった例としまして

夫と別居中の妻(当時は婚姻状態)が

移植同意書の夫の欄を偽造(恐らく代筆)して移植し

妊娠した例があります

その後夫婦は離婚

無断で移植したことに対して元夫が元妻を訴え

数百万円の慰謝料の支払いが認められています

「胚移植同意書 偽造」などで検索すると

それに関する記事が何例か出てきます

 

この例に関しては医師も訴えられていますが、一審で棄却されています

筆跡を夫のものかどうか見極めるのは大変困難であると思いますし

移植ごとに毎回夫婦そろって来院してもらい2人の本人確認の上、胚を戻すことや

毎回同意書を筆跡鑑定に出すことは現実的ではありません

病院側としてはガイドラインに則り同意書を得ているので倫理上特に問題はなく

その点が棄却の理由ではないか、と推測できます

 

 

クリニック側が移植同意書を取らずに移植を行い

医師が訴えられた事例も過去に起こっています

そもそも学会の取り決めにより移植の同意書は毎回取らなければなりませんが

医師と患者さん(妻)との間で信頼関係があったのでしょうか

詳しい経緯は存じませんが同意書なしで移植しその後妊娠

元夫からクリニックの院長が訴えられており

慰謝料の支払いを命じられています

 

 

上記のクリニック院長が訴えられたのは数年前の話です

恐らくこの時から当院に限らず

移植同意書を正しくいただかなければならない、と

同意書の提出がより徹底された事例であったと思います

何度も移植している方も移植同意書は毎回必ずご提出が必要です

当院の場合、移植同意書がご提出いただけていない場合は移植が出来ません

 

 

同意書は移植に限らずたくさんあるので

書くのを煩わしく感じるかもしれません

紙一枚くらい…と感じてしまう方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれません

しかしこの紙一枚を原因として大きなトラブルに発展する事ももちろんですが

生まれてきた子どもの権利関係が複雑化したり

子の福祉への悪影響へとつながる可能性もあります

 

 

思いはそれぞれあるかとは思いますが

治療を受ける際は

同意書は正しくご提出いただきますようお願い致します