うめだファティリティークリニック
培養士の山本です
初期胚・胚盤胞の2段階での凍結の場合
3日目では基本的には1番いい初期胚を凍結します
この「1番いい初期胚」を選ぶのに際し
すごくわかりやすい場合もありますし
逆にどれが一番いいのか判別が付きにくい場合もあります
例を挙げてみましょう
以下 細胞数-グレード の表記です
8-1
8-2
8-3
これは明確ですね
8-1(8細胞のグレード1)が一番いいので
この例の場合は8-1を凍結します
では次です
8-1
14-1
7-1
この場合は当院では8-1を凍結します
進みすぎているものは一見元気がいいとも取れますが
意外と最初だけ頑張って後で発育停止して胚盤胞になれない場合もあるので
当院は「8-1に一番近いもの」を凍結しています
細胞の数が多ければ必ずいいとも限らないのです
では次を見てみましょう
8-2
7-1
9-2
これはどうでしょうか
8-2か7-1で悩むところですね
個人的には7-1は細胞1つくらいはすぐに増えると判断して
7-1を凍結したいところです
8-2は状態にもよりますが
フラグメントが確認されている場合はそれがすぐになくなる可能性は低く
グレード2を維持したまま成長していく可能性がそこそこ高い点が気になります
悩んだ場合は状況に応じて他の培養士に確認する事もあります
では次の例です
6-2
8-3
7-2(空胞あり)
14-3
これは当院でもかなり悩む例です
細胞数で言えば8-3ですがグレードが他に比べてよくないです
6-2は細胞数が少ないです
当院の凍結基準は7細胞グレード3以上です
6細胞は対象外となってしまいます
7-2(空胞あり)は細胞の中に空胞、つまり細胞成分が抜けている部分があるものです
これはあんまりよくはないです
空胞が小さく少なければ7-2
空胞が大きかったり多数ある場合は8-3でしょうか
このケースでも他の培養士に意見を聞きたいところですね
判別が本当に困難な場合は医師に指示を仰ぐ場合もあります