うめだファティリティークリニック
培養士の山本です
胚盤胞とは
内部に空洞が出来ている胚の事です
こんな感じですね
内側に空洞が出来て内部に塊の細胞(内部細胞塊)と
内側にぐるりとでこぼこした細胞が形成されているのが理想的な胚盤胞です
しかし
時々その細胞が全くないものがあります
こんな感じです
内部に見える丸いものはフラグメントが残ったもので
残念ながら評価対象外の細胞部分です
周りのでこぼこ部分も何だか平らな印象ですね
当院ではこれらの胚を
「3CC(拡張している場合は4CC)細胞なし」という評価を付けて
凍結を行いません
理由としては妊娠率が低いからです
中には融解後の生存が難しいと判断されるものもあります
しかしこれらの卵子が妊娠率完全に0.00%かと言われると
もしかしたら何パーセントかはあるかもしれません
つまり、このような胚を何百回何千回と移植して
妊娠する人が中にはいるかもしれない、という事です
それが1%(100人に1人)なのか0.1%(1000人に1人)なのかは分かりません
また、移植する方の年齢にも数字は左右されると思います
そもそもここまで妊娠率が低い胚を戻すかどうか、という話でですが
当院では「戻さない(移植しない)」という判断をしています
特に今保険適応の場合は移植回数が限られています
このようは胚を5個も6個も凍結していると
それらを移植するだけで上限に達してしまいます
なので胚盤胞へ到達した胚=凍結できる胚 ではない、という事ですね
当院では凍結できた胚は写真付きで報告書を作成し培養終了後にお渡ししています
そちらに載っているものが「凍結できた胚」となります