うめだファティリティークリニック
培養士の山本です
患者様皆さんへ受精の結果や胚のグレードをお伝えしていますが
実は受精の判定や胚のグレーディング(グレードを付ける作業)は
白と黒を分けるようなはっきりとした作業ではなく
その中にはグレーなものも数多く存在します
まず受精判定ですが
正常受精は前核と言う核が2個見えます
異常受精は3個です
しかし2個はっきり見えていてぼんやり3個目が見えている場合は…?
そのぼんやり具合も
かなりぼんやりなのか
それとも3つ目の前核であると言えるくらいはっきりしているのか…?
後者なら異常受精とするにしても
前者であって卵がその一個しかなかった場合は
異常受精として培養も凍結も中止としてしまうか否か…
ベテラン培養士でも断定できない場合は意外とあります
当院の培養室ですと複数名で見て最終的に決定します
個数に応じて様子を見る判断をすることもあります
胚のグレードも同じです
初期胚の場合は担当者が判断する場合が多いですが
胚盤胞のグレードや凍結できるかどうかの判断は複数名で行う場合もよくあります
皆さんへお伝えする分割数や凍結数などは
判断がすぐにつくものだけでなく
実は培養士間で悩んだ末決定したものも存在します