うめだファティリティークリニック
培養士の山本です
タイムラプスの導入により
培養士がいないときの胚の状態も
動画で観察する事が可能となりました
そのことにより
細胞の発育だけでなく前核(受精の反応)の形成がどうであったのかも
かなり正確に観察できるようになりました
前核の現れ方には数種類あり
大きく分けると
2個見える、3個見える、1個見える
この3種類です
2個見える場合は男性側と女性側それぞれの核(遺伝子)が
見えるようになっているということで
正常受精とされます
ご注意いただかないといけないのは
正常受精であれば
遺伝的に問題がない、細胞分裂が必ず起こる、妊娠することが出来る
というわけではありません
あくまで「受精」という過程を順調に経た、という段階です
3個見えるということは遺伝子的に異常がある受精のしかたです
男性女性どちらかの遺伝子が多いのです
この受精のしかたをしてしまうと流産の危険性が高いので移植には用いません
ちなみにですが3個見えた場合でも胚盤胞まで到達する事はあります
4個以上見える場合もありますが
基本的な考え方は3個と同じです
では次に1個見えるという場合、これは
1、男性女性の核が合体してから顕微鏡で見えるように発現した
2、男女それぞれの核が別々のタイミングで発現した
3、女性側の遺伝子だけで受精の反応が出てしまった場合(単為発生の場合)
これらの原因が考えられます
当院では以前からの学会発表などを受けて
前核1個でも分割すれば受精したとみなし
胚盤胞となれば凍結を行っております
(場合により初期胚で凍結を行うこともあります)
凍結スケジュールなど詳しくは医師の診察の際にご相談ください