うめだファティリティークリニック
培養士の山本です
培養室には様々な機器があります
1個しかないもの 複数あるもの
故障しやすいもの 故障しにくいもの
故障しても何とかなるもの 故障したら取り返しがつかないもの
様々です
例えば
当院の遠心分離機は合計4台あり
故障しにくい機械です
もし1台の電源が入らなくなったとしても
あと3台ありますし修理するにしても業務には全く問題はありません
顕微授精に使用するマイクロマニュピレーターも当院には2台あり
現状問題はないと判断しています
インキュベーターやガスの圧力調節機械(マニホールド)も毎日正常に作動しているか確認の上
毎年1回以上のメンテナンスを行っております
様々な機器に対し万全の体制を維持しておりますが
ここ数年で胚凍結タンクの老朽化が気になってきたので
この度買い換える事といたしました
凍結タンクは上記の機械類とは異なり構造は単純です
しかし外部内部が物理的に破損すれば
中の液体窒素が枯渇し凍結胚が死滅するという
上記の「取り返しがつかないもの」になります
しかし一方で
非常に頑丈に出来ているのでそうなる可能性は非常に低いです
では
どのタイミングで買い替える(更新する)のがいいのか?
頻繁に買い換えて胚をむやみに入れ替えるのも
入れ替え自体がまた別のリスクとなりえるので得策ではありません
しかし長く使いすぎるのも破損リスクがほんの僅かであっても上がります
要はリスクとコストのバランスを考慮し判断することになるかと思います
今回はリスクを少しでも回避するため
話し合いの末
当院の一部の胚凍結タンクの更新を行うことと致しました
胚凍結タンクの増設は多くても
更新は業界内でもあまり例はないように思います
凍結タンク更新の様子はこのブログでもご紹介したいと思います