うめだファティリティークリニック
培養士の山本です
先日に続き頂いたご質問シリーズです
当院では胚盤胞凍結だけでなく初期胚凍結(採卵後3日目の凍結)も行っていますが
3日目で凍結した胚を融解後に追加で培養して
胚盤胞になったら移植、と言うことは出来るのでしょうかと言うご質問が時々あります
結果から申しますと
医師の診察でOKが出れば物理的には可能です(別途培養費用が掛かります)
しかし、培養士としてはあまりメリットを感じないというのが正直なところです
と言いますのも
day3で凍結していたが気が変わって…という事でしたら致し方ないのですが
融解後に培養してもし胚盤胞にならなければ
移植は中止となります
day3胚のまま移植するか
胚盤胞移植がよろしければ採卵周期の段階で初期胚凍結は見送り
全て胚盤胞凍結にしておいた方がいいように思います
融解後に胚が死んでしまうケースもあるので
融解胚移植自体が100%実施可能と約束できるものではありませんが
融解後の生存率が99%以上であることに対し
胚盤胞への到達率は40%あまりですので
中止のリスクは後者の方が断然高いです
では初期胚を複数個凍結しておいて融解後培養すれば
中止になる可能性が低いのではないか、という事にはなりますが
移植予定の胚盤胞数よりも多く胚盤胞が得られた場合は再凍結となり
費用もかかる上に胚にも負担がかかるので
やはりおすすめはできないです
(学会のガイドラインにより移植胚数は基本的に1個、条件を満たしても最大で2個までです)