大阪市の不妊治療専門のうめだファティリティークリニック。「一部不妊治療」「人工授精」「体外受精」「顕微授精」「精子の凍結保存」「卵子凍結」迄に至る不妊医療情報をご紹介致します。
新しい命をあなたと共に

検査について

ここでは、当クリニックでの実施検査と治療について解説します。

他の医院で既に下記の検査がお済みの場合は、その検査結果を診察時にご持参頂ければ、こちらであらためて検査の必要がない場合がほとんどですので、忘れずにお持ち頂き医師に提示して下さい。

まずは検査をして、
原因をつきとめよう!

不妊治療の専門医との相談風景

不妊症の検査や治療は、初期段階で最低3カ月はかけて、順次進めて行きますので、受診するときは出来るだけ不妊治療の専門医にかかることを、お薦めします。

専門医でないため、途中で不信感がつのって止めてしまったり、次々と病院を替えていくといったこともよくあります。

別の病院で、また最初から検査をやり直すということは、時間的、経済的、心理的な負担が大きく結局何をしているのかわからなくなってきてしまいます。信頼できる医師と、夫婦での、三人四脚の道のりと思って、焦らず、気持ちにゆとりを持ちながら取り組みましょう!

ただし、ここで注意して頂きたいのは不妊原因が全ての方で特定出来るわけではないということです。不妊治療は、進歩しているイメージがありますが、それは生殖補助医療をはじめとした治療法の事であり、検査法はほとんど進歩していません。ですから、検査によって不妊原因の全てが特定される訳ではなく、判明するのはほんの一部にしか過ぎません。つまり、検査で異常なしということは、言い換えれば不妊原因は原因不明ということであり、現代の医学では解明出来ない大きな異常が隠れている可能性を考えておく必要があります。

来院されますと、まず医師との問診で不妊歴や治療歴、内診での症状を診たあと、
個々の状態にあわせて検査スケジュールが組まれます。

一般的な検査順序は、次の通りです。(同時に並行して行うものもあります。)

01子宮卵管造影検査
(HSG)

女性側の不妊原因として一番多い卵管の異常は、この検査でほぼ判明します。

不妊症の原因として卵管因子はかなりの率(約20~30%)を占めるとされています。現在、卵管因子に対する診断治療は未だ未開発であり、唯一この子宮卵管造影検査が有効とされています。すでに妊娠の既往がある方も1年以上の期間が経っていれば、続発性不妊症と考えて実施した方が良いと思われます。
検査は、予約制で月経終了後に行います。レントゲン検査ですのでレントゲン室で行い、所要時間は約10分でレントゲン写真を1枚撮影します。
方法は、造影剤を注入し、子宮から卵管、腹腔内に造影剤が漏れ出すのを確認します。この検査では、卵管の通過性だけでなく、子宮の形状や異常なども診断できます。

事前に感染症・甲状腺機能の検査が必要になります。

  • 子宮卵管造影検査:正常

    正常

  • 子宮卵管造影検査:異常

    異常

02精液検査

射精精液中の精子濃度、運動率、奇形率等を検査します。
精液の採取は、ご自宅でもクリニック内のメンズルームでもどちらでも可能です。詳しくは医師または看護師にご相談下さい。

事前に感染症の検査が必要になります。

03通気・通水検査

X線を使用しないで、随時出来る簡単な検査方法ですが、検査の正確性、信頼性が低いので半年に1度位の定期的なチェックとして行います。軽度の卵管狭窄(卵管の一部が極端に細くなり詰まりかけている状態)なら、この検査で改善される事があります。

04基礎体温表

基礎体温の測り方

専用の婦人体温計(水銀のものが良い)を使用し、毎朝目覚めたら体を動かさないですぐに舌下計測します(話をしない、トイレに行かない)。
日付と月経周期を記入して下さい。日付欄はあらかじめ1ヶ月先まで記入しておかれると便利です(次回来院予定や検査予定の為)。
それから月経量や月経痛の有無、不正出血の有無も記入して下さい。
基礎体温表は、毎回来院時には必ず持参して下さい。

基礎体温表

基礎体温をつけると何が分かるの?

排卵が起こると、卵巣には黄体が出来て黄体ホルモンの分泌が始まります。黄体ホルモンは、体温を上昇させる働きがあり、その作用で基礎体温は高温相になります(約2週間程度)。逆に、月経から排卵までは低温相となります。つまり、基礎体温表が低温相と高温相の2相性になっている場合は排卵が起こっていると考えられます。排卵のない方(無排卵)の場合、低温相のみの1相性になります。高温相は通常約14日間続きますが12日間より短い方は黄体ホルモンの機能が悪い(黄体機能不全)と考えられます。また、高温相が2週間以上続いている場合は、妊娠の可能性があります。さらに、月経と月経の間が40~50日以上ある場合は、排卵していない可能性があります。これは、脳にある器官の間脳や脳下垂体などの異常で、ホルモンの分泌が上手く行われておらず、卵胞(卵巣内に存在する卵子を内包している袋)が発育しない為です。全く卵胞が発育しないと、無排卵性無月経症となります。その原因は、無理なダイエットや他の内分泌器官の異常、多嚢胞性卵巣症候群あるいは肥満等が考えられます。

05ホルモン検査

基礎体温表のグラフで、排卵が起こっていないようであれば、血液検査で性ホルモン分泌に異常がないかを調べます。

性ホルモンの基礎知識

FSH(卵胞刺激ホルモン)について

脳下垂体から分泌されるホルモンで、卵巣に作用して卵胞(卵巣内に存在する卵子を内包している袋)を発育させる作用があります。また、LH(黄体化ホルモン)とともにエストロゲン(卵胞ホルモン)の合成を助ける作用があります。 血液中のFSH値から、卵巣がどれくらいの卵胞を発育させる能力があるのかを予測できます。このFSH値が異常に高い場合、卵巣の機能が悪いことを意味しています。

LH(黄体化ホルモン)について

LH(黄体化ホルモン)は、脳下垂体から分泌されるホルモンで、成熟した卵子を卵胞(卵巣内に存在する卵子を内包している袋)から排卵させ、黄体を形成させる作用があります。排卵の約36時間前にピーク状に分泌されます(LHサージと呼ぶ)。よって、この血液中や尿中のLH(黄体化ホルモン)を測定することによって、排卵の時期を予測することが可能です。

エストロゲン(卵胞ホルモン)について

エストロゲン(卵胞ホルモン)は、卵巣にある顆粒膜細胞と呼ばれる細胞から分泌され、卵胞期(基礎体温表の低温期)に子宮内膜を厚くして、排卵前に子宮頚管粘液量を増加させる作用があります。また、エストロゲンは、自律神経や骨などにも作用しています。

プロゲステロン(黄体ホルモン)について

プロゲステロン(黄体ホルモン)は、排卵した後に形成される黄体から分泌されるホルモンです。子宮内膜に作用して内膜の性状を変化させて胚が着床しやすい環境にしたり、子宮の筋肉の緊張を低下させます。よって、黄体期(基礎体温表の高温期)のプロゲステロン(黄体ホルモン)の値より黄体機能を評価することができます。黄体機能不全は着床障害や流産の原因になります。

プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)について

下垂体から分泌されるホルモンで、乳汁分泌ホルモンという名前の通り、分娩後の褥婦さん多く分泌されるホルモンです。このホルモンは、男女ともに正常でも少量分泌されていますが、値が高くなると男女ともに不妊症の原因になります。女性では、プロラクチンの値が高くなるのにしたがって、排卵障害、無月経、黄体機能不全になります。黄体機能不全は着床障害や流産の原因になります。日内変動もみられ、日中の血液検査でプロラクチン値は異常なしでも、実際には夜間・睡眠時にホルモン値が高かったりする人がいます。

血液ホルモンと妊娠との関係は、下図をご参照下さい。

血液ホルモンと妊娠との関係表

(日本オルガノン社より提供)

06経膣超音波検査

ほとんど全例の初診内診時に実施します。
経膣超音波の特徴は、子宮・卵巣の情報が詳細かつ簡便に分かります。子宮・卵巣の形態学的異常(子宮筋腫、卵巣嚢腫など)があるかないかは、不妊治療を始める上では、内診検査とともに欠かせない検査です。また、特に排卵直前では、卵胞(卵巣内に存在する卵子を内包している袋)の計測が可能で、排卵時期をほぼ正確に予測できます。それと同時に、胚が子宮内に到達して、妊娠成立の最初の現象である着床をうまく起こしてくれるかどうか、子宮内膜を形態的に判断することが可能です。更に、実際に排卵したかどうかも卵巣の形態的変化を見ることで的確に診断できます。

経膣超音波検査

断層写真

07尿中LH検査

LHとは、黄体化ホルモンのことで、排卵が近づくと急激に増え始めるので、排卵日の予測に尿中のLHを測定します。

尿中LH検査表

08ヒューナーテスト
(性交後検査)

検査は、排卵時期に合わせて検査前日か当日の朝に性行為を行ってもらい、数時間後に外来を受診して検査します。子宮頚管の粘液を採取して顕微鏡下で精子の数と運動状況を判定します。この検査では、頸管粘液中での精子の運動状態や頸管粘液が精子を受け入れているかが判断出来ます。検査の結果が思わしくない場合には人工授精法などの適応となることもあります。

09抗精子抗体試験
(血液検査)

一般に体内に入ってきた異物は、抗体反応が起きて排除しようとする防御反応が起こりますが、女性の身体が精子を異物とみなしてしまうと妊娠が出来ません。精子に対して抗体があるかどうかを血液を採取して検査します。

10腹腔鏡検査

必要があれば提携病院をご紹介します。

どの時期にどのような検査を行うのかは、下図をご参照下さい。

不妊治療検査スケジュール表

その他初診時検査内容

  • 基礎体温表判定と指導
  • 内診
  • 子宮膣部細胞診

(日本オルガノン社より提供)

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